7・16 入院患者差別・虐殺34ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地闘争の勝利をかちとろう

                                 全国「障害者」解放運動共闘会議

 

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 全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は、7月16日、「入院患者差別・虐殺34ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地集会」と「報徳会宇都宮病院(宇都宮病院)へのデモ」を闘います。全国の「精神病者」「障害者」、共に闘う労働者人民・学生に闘いへの結集を呼びかけます。 

 

 宇都宮病院に隔離・収容されていた安井健彦さんは、1984年3月、看護人らの暴行で2人の入院患者が虐殺された事実を暴露しました。1人の仲間は「飯がまずい」と言っただけで、もう1人の仲間は面会に来た家族に「ひどい病院だから早く退院させてくれ」と訴えただけで、鉄パイプや木刀で暴行され、虐殺されたのです。

 

 宇都宮病院は、院長である極悪の差別者・石川文之進が、「社会の治安管理」のために「精神病者」の強制収容・入院を柱とする差別法=「精神衛生法」(当時)を利用し、「精神病者」隔離・拘禁・虐殺の収容所として設立・運営してきました。警察や福祉行政と癒着し、各地の病院に「手に負えない患者を引き受けます」とビラを配り、山谷労働者などを中心に刈り込んで、勝手に「精神病」と診断するという強引かつ悪辣な手法で患者集めを行なうことによって、宇都宮病院は、入院患者1000人の大病院に膨れ上がりました。文之進は、いつも「十手」と呼ばれる鉄製ゴルフクラブを持ち歩き、「ここは北関東医療刑務所だ」と豪語し、患者たちを入院の度ごとに「ヤキ入れ」と称して保護室に幽閉し、暴行を加えました。また、「作業療法」と称して、報徳冷凍庫など関連会社で、わずかばかりのタバコやラーメンと引き換えに奴隷労働を強制し、病棟の増・改築、文之進宅の造園、文之進が興じたゴルフの玉拾いにも患者を使役しました。果ては、患者にレントゲンや脳波をとらせ、投薬はもとより注射や点滴を打たせるといった「医療行為」までさせたのです。宇都宮病院では、医療の実態は皆無に等しく、約1000人の患者に医師は文之進一人、看護人も規定の半分もいない状況でした。にもかかわらず、病院の宣伝も含めて東大医学部脳研究施設と癒着し、入院患者を研究材料として食い尽くし、「東大で脳が欲しいと言われると入院患者が死ぬ」と言われたほどでした。このような宇都宮病院を拒否すれば、入院患者は、暴行・虐殺を強いられたのです。 

 

 宇都宮病院では、告発までの3年間だけでも222人もの入院患者が暴行・虐殺され、「不審死」と片付けられました。私たちは、この事実を胸に刻み、仲間たちの怒り、無念を晴らしていかなければなりません。 

 

 安井さんによる宇都宮病院告発は、日本はもとより世界的にも問題にされ、「精神衛生法」は、「精神保健福祉法」に変えられました。しかし、「精神障害者」差別法としての根本は変わっていません。だからこそ、宇都宮病院は今なお存続しているのです。 

 

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 3人の元入院患者たちが石川文之進を「傷害」で告訴しましたが、検察はこの告訴を無視して「傷害罪」での起訴をしませんでした。そのため、裁判は、行政法違反のみに終始し、医師法違反すら無視するという文之進を守るための裁判として行なわれていきました。文之進は、「2人の虐殺と、222人の『不審死』が起こった病院の管理責任」「3人に対する傷害」の責任を一切問われぬまま、わずか1年の実刑となりました。その結果、文之進は、1984年5月に精神衛生鑑定医の資格取り消しと、1987年4月には保険医の登録を取り消されたにもかかわらず、旧厚生省や栃木県行政が文之進の「医師免許を剥奪しない」という「不作為」の暴挙が成立したのです。文之進は、自らのホームページで「虚言症の患者の作話をそのまま報道した大新聞を始め、多数のマスコミにより、誤り、歪められた当院の姿が何度も報道されました」と患者虐殺を居直った上で、「当院は真摯に反省し」なぞと言い放っています。石川文之進は、安井さんの告発後も、東大医学部との結託関係を維持し、入院患者のデータを利用した約200もの「研究論文」を発表したことを自慢するなど、到底「反省」なぞしておらず、エラそうに振舞いながらのうのうと生き延びています。そして、宇都宮病院自体も、面会破壊の攻撃をエスカレートさせており、宇都宮病院の一旦隠された毒牙が再びむき出しになってきています。断じて許してはなりません。 

 

 2013年11月23日に、安井健彦さんが、東京都目黒区内の自宅で逝去されました。安井さんは、宇都宮病院入院患者・差別虐殺糾弾闘争には毎年のように参加し、集会では「宇都宮病院が何で今も続いているのか。その理由は3つある。1つは社会がいまだに容認していること!2つにカネの力! 最後に警察だ! このようなことを許している限り、宇都宮病院はいつまでも続く。こんなことが通用するかってんだ! みんな頑張ってくれ。一人でも頑張ってくれ」と参加者に檄をとばしていました。さらに、死の直前まで「石川文之進だけは絶対に許さない」と宇都宮病院を糾弾しておられました。安井さんは、2013年12月22日に結成された全「障」共に加盟する意思を明らかにしていました。われわれは、そんな安井さんの遺志を引き継ぎ、その怒りと闘いに応え、あくまで闘いぬく決意です。 

 

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 あくなき利潤追求のために、石川文之進と宇都宮病院は、警察と一体となって「患者」を狩りこみ、到底、治療とは呼べないような「治療」と暴行を加え、劣悪な入院処遇に対する患者さんの抗議を抑えるために、患者同士を分断して暴力で支配する、この中で多くの患者さんを差別・虐殺していったこと、その宇都宮病院の存続を今も容認している行政、厚労省―国家権力への怒りを、われわれも忘れることはできません。宇都宮病院糾弾闘争の飛躍・前進を切り拓いて、宇都宮病院の解体まで闘いぬいていこうではありませんか。   

 

 安井さんが宇都宮病院を告発し糾弾した闘いを力に、私たちは宇都宮病院での患者虐殺を生み出した当時の日本の精神医療を糾弾し続けてきました。しかし、「精神衛生法」が「精神保健福祉法」に変わった今日においても「措置入院」や「医療保護入院」は存続し、一方では「心神喪失者等医療観察法」による保安処分が強制され、「精神障害者」は隔離・抹殺政策のもとに置かれています。 

 

 2014年4月から施行された改悪「精神保健福祉法」では、「医療保護入院」の要件について「指定医1名による診察・判定」を維持し、「保護者」の同意に代えて「家族等(本法案では、配偶者、親権者、扶養義務者及び後見人又は保佐人をいう)のうちいずれかの者」の同意があれば足りるとし、患者の権利擁護制度である代弁者制度を法律上定めることも見送られました。2016年5月の「成年後見制度利用促進法」施行とも相まって、「家族等」と病院が結託しての、本人の意思を踏みにじった強制入院の増加が狙われているのです。 

 

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 改悪「精神保健福祉法」施行下、医療現場の状況は悪化しています。厚生労働省は、すでに2014年度の段階で、日本の「精神障害者」の数は約392万人とされており、約29万人が入院し、そのうち1年以上の長期入院者は18万人を超えていることを明らかにしました。また精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなどの身体拘束を受けた患者が、全国で1万682人に上り、過去最多を記録したことや、内側から開けることができない「保護室」に隔離された患者も過去最多の1万94人に上ったことを明らかにしています。これとても、〝氷山の一角〟でしかありません。 

 

 安倍政府は、新たな改悪「精神保健福祉法」の国会強行成立を狙っています。今回の改悪案は、2016年7月に起きた「相模原事件」を口実にして、「精神障害者」に対する監視の強化・徹底化を図る代物です。「措置入院患者の支援強化」の名の下に、退院した「患者」をどこまでも追い回し、自治体、警察の監視下に置きつづけようというものです。こんな改悪「精神保健福祉法」の国会での強行成立を許してはなりません。 

 

 「障害者差別解消法」は、安倍極右政府の下で成立し、2016年4月1日に施行されました。言うまでもなくこの「障害者差別解消法」は、あくまでも行政主導の下に「差別か否か」を判断し、「障害者」自身による差別糾弾闘争を圧殺し、無力化しようとするものです。資本主義社会の経済状態やそれに規定された政府の意向に左右されるのであり、〈差別からの解放〉を求めない「自立」の先に待つもの、差別糾弾闘争の牙を抜き取られた「障害者」運動の先に待つものは、差別に屈服した生き方と希望を奪われた未来です。「障害者」の〈自立と解放〉のスローガン、そして差別糾弾闘争こそが未来を切り拓く力なのです。 

 

 資本の利益を生む能力が高い者を「価値ある生命」とし、その能力の低い者を「価値なき生命」として排除・抹殺する優生思想を生み出す資本主義社会、所得などの格差の拡大を必然的に生み出すこの資本主義社会の変革なくして、「障害者」の解放はあり得ないのです。「障害者」の解放は、資本の力によってではなく、労働者階級との階級的共同闘争を発展させる中で実現できるのです。 

 

 政府の政策が「精神障害者」隔離・抹殺に重点を置いていることは明らかです。宇都宮病院を糾弾し解体する闘いを頑強に続けることは、宇都宮病院による患者への差別・虐待を阻止し、国家権力の「精神障害者」隔離・抹殺政策と対決する闘いです。 

 

 今こそ、差別糾弾闘争の飛躍をかちとり、全国の闘う「精神病者」「障害者」、そして医療労働者、福祉労働者をはじめとする労働者人民の闘いを発展させ、宇都宮病院を解体していきましょう。7・16入院患者差別・虐殺34ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地闘争に結集しよう! 

 

 

入院患者差別・虐殺34ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地闘争

・日時 7月16日 (月)午後1時

・場所 陽南第二公園

・主催 全国「障害者」解放運動共闘会議 

*集会後、報徳会宇都宮病院への糾弾デモを闘います。